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ネガティブ・ケイパビリティについて

前回ではネガティブな思考の良い点についてお話ししました。今回は、ネガティブつながりで「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉に触れてみましょう。

SNSやネット情報など、メディアの流す報道、また巷であふれている事件や問題などには、一概にこうだと言い切れるものは少なく、一つの答えのない問題にあふれていることが多いのではないのでしょうか。このように、”不確実性を持つ要素”は世にあふれかえっています。

不確実なものは人々を不安に陥れ、不十分で焦った判断や行動を促進させがちです。しかし、すぐには答えの出ない事態に耐える力「ネガティブ・ケイパビリティ」があれば、物事の本質に深く迫ることができ、気づきを生み出せると言われています。

●ネガティブ・ケイパビリティとは

ネガティブ・ケイパビリティ(Negative capability)は、19世紀に活躍したイギリスの詩人、ジョン・キーツが発見した言葉で、イギリスの精神分析家のウィルフレッド・R・ビオンが、この概念に注目しました。

人間の脳はわからないものや不確実なものや予測がつかないものが苦手で、生半可な意味づけや知識でもって、せっかちに答えを出そうとしてしまいがち。だからこそ、曖昧でよくわからない空間を何かで埋めてしまいたい誘惑に、ネガティブ・ケイパビリティで抵抗できれば、新しいアイデアや考え、気づきを生み出せる、と学者(ロバート・フレンチ氏、ピーター・シンプソン氏)らは主張しているそうです。

●ネガティブ・ケイパビリティを身につけるには?

どうしたらネガティブ・ケイパビリティを身につけられるのでしょうか。『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 』(朝日新聞出版)を著した帚木氏によれば、「この概念の存在を知り、頭に入れて、耐え続ける態度をもつだけで、ネガティブ・ケイパビリティを身につけられる」とのこと。

「なんだか難しそう」と感じるなら、対話をすることがおすすめと株式会社コーチ・エィの市毛智雄氏は言います。宙ぶらりんの状態を嫌がり、焦って答えを見つけようとする脳を、人との対話で一時停止させ、焦らず答えを探していくわけです。市毛氏によれば、よく聞き・問いかけ、テーマを観察することで、気づき・新しい発想・行動が生まれていくとのこと。

例えば仕事の場では、「もっと評価されたいからたくさん仕事をしたいのに、あまり仕事を任せられないので力を発揮できない。きっと評価されていないから仕事を任せられない。でも仕事を任せられないと評価されようがない」などと堂々めぐりに陥り、ついには耐えかねて、「辞めちゃおう(転職しちゃおう)」や「上司に不満をぶちまけよう」などと何かしら決着をつけてしまいたくなります。

そんなところを、たとえば上司と対話をもち、そこに留まって耐える能力を試してみるのです。そして、対話を繰り返し、そのときのテーマ(この例でいうと「もっと仕事をしたい・もっと評価を得たい」)を観察します。そうすると、例えば上司から思わぬヒント(例えば仕事に必要なスキルを教わる)などちょっとした気づきが生まれ、たとえば資格やスキルアップの勉強など行動を起こせるわけです。

このようなネガティブ・ケイパビリティを意識し高める行動を取り続けることで、少しずつ物事を冷静に受け止めたり、判断したりできるようになると思われます。

すぐに答えは出ないかもしれませんが、曖昧な状況のときに誰かと対話することにより、はやる気持ちがスローダウンし、自分自身をコントロールできるようになると思われます。

~ライフサポート・クリニックは、うつ・不眠・不安などの治療と共に、復職支援・発達障害・依存症の治療にも力をいれております~

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