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やる気について③

前々回からやる気やモチベーションについてのブログを発信しています。今回は動機づけ(心理学において「行動を目標に向けて維持・調整させる過程や機能」を意味する)についてお伝えします。

アメリカの心理学者デシによると、動機づけには以下の二種類があるとのこと。

外発的動機づけ:金銭など外部の報酬によって促される行動。

内発的動機づけ:人の内側から促される行動。

そして、内発的動機づけの方が、高いパフォーマンスを持続的に生み出すことができるのだそう。確かに、ご褒美やお金といった報酬を貰えることが前提だと、その報酬がなくなってしまえば途端にやる気が出なくなりそうですが、逆に、心から楽しいと思えることに関しては報酬がなくても全力で取り組むことができるのはうなづけますよね。

またデシは「アンダーマイング効果」という、内発的動機づけで行っていた行動に対して、外発的動機づけ、つまり金銭的な報酬などを提示すると、元々あった内発的動機づけが弱まってしまう、といった現象があると言っています。

こうなると、人のやる気を低下させる外発的動機づけはできる限り避けるべきではないかと思われそうです。しかし、本当に外発的動機づけのすべては悪なのでしょうか?そうではないのではないか、という考えもあり、それが以下の通りです。

外発的動機づけは、実は”他者から褒められる”あるいは”怒られずに済む”などといったものも含まれるのだそうです。確かにスポーツなどの行為自体に楽しさを感じられる(内発的動機づけ)のと同時に、ナイスなプレーをすることで他者より優位に立てる感覚が得られたり、あるいは活動を通して良好な人間関係が構築できたりするといったメリット(報酬)もあると思います。そうなると、人の行動は内発的動機づけか外発的動機づけかのどちらか一方には決められないのではないでしょうか。

デシは、内発的動機づけにおける重要な要素である「自律性」、「有能感」、「関係性」の三つを提示しており、この三つが満たされると内発的動機づけが強化されると主張しています。 私たちにとって以下の三つはとても大きな報酬となり得ると思いませんか。

自律性:自分の意志が尊重されること。

有能感:他者より優れていることが証明できること。

関係性:周囲と良好な関係を築けること。

つまり大切なのは、私たちそれぞれが持続的・安定的な行動をするために、上に書いた「自律性」「有能感」「関係性」を得られるほどの報酬をどのように入手できるか・周りから提示してもらえるかを考え行動することなのではないでしょうか。

~ライフサポート・クリニックは、うつ・不眠・不安などの治療と共に、復職支援・発達障害・依存症の治療にも力をいれております~

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