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怒りについて

怒りという感情は人がみな持つ自然な感情ではありますが、なかなか厄介なものです。理不尽な扱い方をされたり、嫌なことを言われたりすることで湧きあがる感情の一つで、それを表現してしまえばすっきりとする一方で、周囲との関係性が危うくなってしまうといった危険もはらんでいるものですよね。

心理学では、怒りは第二感情であるといわれています。第二感情とは、二番目に出てくる感情のことで、実は怒りより先に生じている感情(第一感情)があるということなのです。 怒りという感情はとても強いエネルギーを持つため、怒りの感情の根本の部分になかなか人は気づきにくいものです。

では、第一感情とは一体どんなものがあるのでしょうか。それは大抵、悲しさ、寂しさ、恥ずかしさ、不安、困惑、恐れなど、ネガティブなものといえると言われています。

例えば、部下に頼んでおいた仕事が期限になっても提出されないとき、上司には「業務の期限は守るべきだ!」と怒りの感情が現れます。では、この怒りの前にある第一感情は、例えば「部下への期待がかなわず悲しい」、あるいは「段取りが狂って困った」という本心が潜んでいるのではないでしょうか。これを感じたことにより怒りの感情が発生したと言えます。

ただ、本心であるはずの第一感情が怒りのエネルギーの強さに負けて、第二感情である怒りのみが相手に伝わってしまいます。本当は”期待していたけれど今回は残念”などといった本心が伝わらないまま怒りだけが伝わってしまうと、大切な人間関係が損なわれてしまいかねません。

怒りの感情を表現してしまう前に、一度立ち止まり、怒りの裏に隠れた第一感情を探してみて下さい。自分の本心である第一感情に気づくことができれば、怒りをコントロールしやすくなると思われます。そうすることで本当に伝えたい気持ちを伝えられたら、身近な人達と穏やかに対話できるかと思われます。

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