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スタッフおすすめの本 『アニメ療法』
最近、フロアの動画鑑賞でアニメを見ることが多いな、と思った方はいませんか?
今回おすすめする本はパント―・フランチェスコ著 『アニメ療法』です。
『アニメ療法』は、イタリア出身の精神科医・心理療法士であるパント―・フランチェスコによる書籍です。彼は、日本の医師免許も取得し、アニメーション作品を活用した独自の治療法を展開しています。フランチェスコの経歴には、独特の魅力があります。
彼は、イタリアで医師免許を取得した後、日本に渡り、再度医師免許を取得しました。このように、二つの国で医師として活動することで、異文化や言語の違いを理解し、患者様にとって最適な治療法を提供することができるようになったのです。
フランチェスコは、自身がオタクであることを公言しており、アニメーション作品に深い愛情を持っています。彼がアニメーション作品を治療に活用するアイデアは、この愛情に基づいて生まれたものです。彼自身がアニメーション作品から受けた影響が、自分自身を癒し、成長させたという経験が、アニメ療法に取り組む原動力になっています。
『アニメ療法』では、フランチェスコが自身の経験を踏まえ、アニメーション作品が人々の心の健康に与える影響を解説しています。彼は、アニメーション作品が、観る人々のストレスを軽減し、自己肯定感を高め、コミュニケーション能力を向上させるなどの効果があることを指摘しています。
また、本書では、心理学者ゲイリー・ソロモンが提唱した「映画療法」や、マイケル・ホワイトによる「物語療法」についても触れられています。これらの手法は、映画や物語を通じて人々の心理的な問題に取り組むものであり、アニメーション作品も同様の手法で利用できることを示しています。
フランチェスコが提唱するアニメ療法は、日本をはじめとするアジア圏で認知されつつあり、治療法としても利用されています。アニメを「処方」するという考え方です。
アニメーション作品は、ジャンルや作品によって様々なストーリーを持っています。フランチェスコは、治療にアニメーション作品を利用する際には、対象者の症状や状態に合わせて、適切な作品を選ぶことが大切だと考えています。また、アニメーション作品の視聴は、個人で行うだけでなく、グループセッションで行うこともできます。
グループセッションでは、患者様同士がアニメーション作品を共有することで、共感やコミュニケーションを促すことができます。さらに、アニメーション作品に登場するキャラクターの行動や言動に対して、グループ内でのディスカッションを行うことで、自己理解や対人関係の改善にもつながるとしています。
『アニメ療法』は、アニメーション作品が持つポジティブな影響を、科学的な根拠や実際の治療事例を交えて解説しています。また、フランチェスコが自身の経験を交えて書いたため、読みやすく親しみやすい文章となっています。
ライフサポートクリニックでも、この本の理論に基づいて、映画鑑賞や特にグループでのアニメ鑑賞を治療プログラムとして取り入れています。アニメーション作品を通じて、患者様が自己理解やストレス管理のスキルを身につけ、健康な認知を取り戻す手助けをすることができると信じています。
『アニメ療法』は、アニメーション作品がもつ潜在的な力を理解し、治療の現場に取り入れるための一つの手法を提供しています。アニメファンだけでなく、心理療法や治療法に興味のある人にとっても、興味深い内容が詰まった書籍だと思います。
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