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改めて:怒りの感情について

前回前々回と「怒り(=アンガー)」の処理の仕方についてお話してきました。今回は改めて、「怒り」の感情についてお話ししたいと思います。

怒りという感情は、 「こうありたい」「こうあってほしい」「こうあるべき」などという自分の理想・期待・願望が裏切られたときに生じるものです。「こうあるべき」などといった想いや観念は、これまでの家庭内でのしつけや教育、経験してきた心情や事柄などによって自分の中に形成されるため、人それぞれが持つ「こうあるべき」という基準も異なります。

心理学では、怒りは「自分を守るための感情」といわれています。怒りという感情が湧き出す前に、私たちは「悲しい」「悔しい」「つらい」「寂しい」「不安」「苦しい」といった一次感情を抱きます。そして、これらのネガティブな感情が心の中に蓄積していき、許容量を越えたときに溢れ出すのが「怒り」という二次感情です。この怒りの感情をうまく表現できなければ、ストレスとなって心身に悪影響をもたらすことにもなります。だからこそ、自分を守る感情である怒りと上手に付き合っていくためのアンガーマネジメントが注目されています。

怒りには以下のような性質・傾向があるといわれています。

・高いところから低いところへ

怒りは、「上司から部下へ」「先輩から後輩へ」というように、立場や力が強いところから弱いところへと流れていく性質をもっています。この性質を知ることで、誰かに怒りをぶつけられたときの感情をさらに立場の弱い人へと伝えないようにコントロールすることが大切になります。

・身近な人に対するほど強くなる。

怒りには、身近な関係に対するほど強く大きくなりやすいという性質もあります。これは相手に対する期待値の高さが要因と考えられます。

・怒りは周囲にも伝染する。

怒りに限らず、私たちのなかに生じる感情には伝染しやすいという性質があります。「楽しい」という感情が自然に周囲に伝わって、なごやかな雰囲気をつくり出すのもその一例です。怒りの感情は、ほかの感情よりも強いエネルギーがあり伝染しやすいといわれています。

・モチベーションにもなる。

怒りには大きなエネルギーがあります。そして、そのエネルギーが自らの奮起や成長の起爆剤として作用することがあります。たとえば他社との競合に負けた悔しさを、さらに自らを高めて成長のバネにするなど、プラスのエネルギーとして活用することができます。

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