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冷静な人とは③

今回はいら立ちによって冷静さを欠いてしまいがちな人への情報をお伝えします。

苛立ちとは感情心理学の観点では、大きなくくりで“怒り”というネガティブ感情の一種であり、「自分がしたいことを邪魔するものに対して向けられる外向きの感情」とされています。つまり、苛立ちは「自分がしたいこと」というある種の目的があり、そのための障害を取り除くよう私たちを動機づけていると言えます。

しかし、苛立ちを表現することはネガティブなイメージがありますが、一方でポジティブな面もあります。先ほど苛立ちは「自分がしたいことを邪魔するものに対して向けられる」感情であるとお伝えしました。「自分がしたいことを邪魔するもの」を「問題」と言い換えると、自分がしたいことのために問題を解決する感情と捉えることもできます。社会問題への抗議活動などはその一例といえます。

苛立ちのこのような問題解決的な面を大事にし、かつその影響がネガティブなものにならないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?

・苛立ちの外在化

苛立ちをコントロールする術は、アンガーマネジメントの分野で紹介されているもので「感情から距離を取り、自分を客観視する」ことが推奨されます。つまり、自分の気持ちを人に話すことで感情と距離ができ、苛立ちを客観視することに繋がります。しかし、苛立った時に話を聞いてくれる人がそばにいなかったらどうすればいいのでしょうか。

ここで「外在化」という方法があります。「外在化」とは、自分の内側にある目に見えない感覚に名前をつけたり喩えたりして、感覚を客観視する方法です。例えば、苛立っている自分の状態をそのまま感じていると 「苛立っている」のはまさに自分自身であり「苛立ち=自分」という構図のままです。しかし、「イライラに火がついている」と自分の状態に名前を付けて表現すると、「苛立ち≠自分」となり、イメージとして自分の中に「イライラの火」があり、まるで焚き火を眺めるように、苛立っている自分の状態をもう一人の自分が離れて眺めている構図になるのを感じませんか。

「イライラの火」を少し離れて眺めることができれば、「今苛立つのは自分の目標や理想の実現にプラスになるだろうか?」や「他のやり方はないだろうか?」などと冷静に考えられ、苛立ちの持つ問題解決的な面を活かすことも可能かもしれません。

しかし、「イライラの火」が大きすぎてそのような余裕も持てない場合もあるかもしれません。そのときは以下の方法で苛立ちの原因から距離を取る方法を試してみるといいかもしれません。

  • カウント6(怒りが高まったときに頭の中で6まで数字を数える方法。)
  • 一旦その場を離れる。
  • 水を飲む。(ついでに頭の中で火に水をかけるイメージもする。) など

~ライフサポート・クリニックは、うつ・不眠・不安などの治療と共に、復職支援・発達障害・依存症の治療にも力をいれております~

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