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悲しいことについて
誰でも悲しい気持ちになることはあると思います。その悲しい気持ちがどのようなプロセスと踏んで解消されていくかをご紹介します。まず悲しいとはどのような反応なのでしょうか。
まず、悲しい気持ちは、自分自身を助けるサインだと言われています。心の休息をとったほうがよい、無理をせず心の整理をしたほうがよい、周りに助けを求めたほうがよい…などと、心は自分自身にサインを送っているということのようです。
そして、悲しく辛い体験を通して人の痛みを理解するようになります。心理学の研究では、悲しい気持ちを感じられる方は共感性が高いことがわかっているよう。悲しい体験をしたからこそ、積極的に人を助けたり、暖かい言葉をかけたりなどできるようになるとのこと。
では、悲しい気持ちはどのようなプロセスを踏んで解消されていくのでしょうか。アメリカの心理学者フィンクは、悲しい気持ちから立ち直るために4つのステップがあると考えています。
① 衝撃期
人は心に大きな傷を負った場合悲しい気持ちになります。これは衝撃期と呼ばれています。涙が止まらない・罪悪感を持つ・食欲減退が起こるなどの状態が起こるようです。
② 防衛的退行
起きたことに対して素直になれず、自分の中で葛藤をする時期が防衛的退行。失敗や喪失、挫折と抗いながらも向き合っていく時期です。
③ 承認期
心の深い傷や悲しい出来事と向き合い受け入れることで、少しずつ気持ちの整理がついていく時期です。起こった出来事を誰かに打ち明けることができるようになり、押し込んでいた悲しみを外に出せるようになるそう。
④ 適応期
徐々に普段の穏やかさを取り戻していき、自分の仕事、しなければならないことに打ち込めるようになり、また、新しいことを始めるなど前向きな活動に取り組めるようになっていくそうです。
ここで注意なのが、無理に元気になろうとしないことです。①衝撃期と②防衛的退行の時期では、心は悲しかった出来事を一旦保留することがあり、自分の気持ちを抑え込む”抑圧”という心の自己防衛システムが働いている状況です。
抑圧とは、本来なら悲しくなるべきところを、心の深くに押さえ込んでしまい、感じないようにしてしまうイメージです。しかし、それをし過ぎてしまうと心が体に影響を与え、 不眠や体のしびれといったように、身体に不調が来てしまいます。
そのため、自分を抑圧し過ぎず、③承認期にあるように、相談できそうな相手に気持ちの内を打ち明けることはとても大切なことと思います。それ以上に悲しみが強い場合のことについて、次回にお話ししたいと思います。
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