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その不調『鉄』不足??
貧血の80~90%は鉄欠乏性貧血と言われ、その名の通り鉄不足による貧血です。
私たちの体における鉄の働きは、約70%が血液中のヘモグロビンというたんぱく質を作る原料になることです。
ヘモグロビンは、肺で酸素と結合して全身に酸素を届ける役割をします。
何らかの原因で体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンをうまく合成できなくなります。
その結果、体内への酸素供給量が減り、だるい、疲れやすい、顔色が悪い、動悸や息切れ、めまいなどの症状が現れます。
通常の健康診断では、ヘモグロビンの値が低いことで貧血と診断されますが、ヘモグロビンの値に異常がない場合、次に「MCV(平均赤血球容積)」という項目に注目してみてください。
MCVは簡単に言うと赤血球の大きさを表す数値で、低値の場合最も多い原因は鉄欠乏性貧血です。
さらに調べていくと、フェリチンという鉄結合性タンパク質の不足があり、俗に「隠れ貧血(潜在的鉄欠乏)」と呼ばれています。
フェリチンに囲われた鉄は、肝臓や脾臓、心臓、小腸粘膜などに貯蔵鉄として蓄えられています。
血液中の鉄分が不足すると、フェリチンから血液中に鉄分が供給され貧血を防いでいます。
フェリチン不足は鉄欠乏性貧血の一歩手前の状態で、健康診断など一般的な血液検査では診断がつかないため見逃されてしまいます。
鉄不足の症状には、先に述べた貧血の症状以外にも、肌や髪の乾燥や爪が割れやすいなどのトラブル、不眠や集中力の低下、頭痛やイライラなど心身に様々な悪影響を及ぼします。
また、鉄はセロトニンやドーパミンといった「幸せホルモン」の合成にも関わるため、人生のあらゆる場面で幸せを感じにくくなり、些細なことで不満を抱くようにもなります。
当てはまる項目がある場合、血液検査でのヘモグロビンの値やMCV値、フェリチン不足などを含め医療機関で相談し、原因を探っていくことが大切です。
症状回復への手助けとなれば幸いです。
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