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心の余裕を取り戻す①
毎日が忙しかったり、ストレスが溜まる状況にいたりすると、つい心に余裕がなくなってしまいがち。臨床心理士でありマウント・サイナイ西病院精神科外来センターの副所長であるアンソニー・P・デマリア博士は「激しい消耗、疲労感、虚無感にさいなまれているとき、人は心に余裕がなくなる」と語っています。
心に余裕がなくなるのは「仕事や日常生活において、上手に“境界線”を引けない」人に多いと心理学者のドリス・ガッター博士は言っています。ここでいう“境界線”とは、仕事や生活上のあれこれを「ここまでやる」や「これ以上は無理」などと線引きをすることです。
また、「将来への不安」も大きなストレスの要因となるようです。心理療法士のダラ・ドーフマン博士は「将来について悩みすぎると、不安感に圧倒され、心に余裕がなくなる」と語っており、将来について考えすぎると「将来が見えない」という不安に簡単に陥ってしまうのだそう。
心に余裕がなくなってしまうと様々なことがマイナスに向いてしまいます。そこで、気分を切り替えるには「今起こっていること」を正しく認識することが大事です。そうすると「現状を正しく認識することで、状況をコントロールすることが可能になる」と、ドーフマン博士は言っています。
それでは、今回と次回に分けて、心に余裕がないと感じている方のための、余裕のない状況にいることで悪循環に陥らないための6つの方法をご紹介します。
①心の状態を先取りする。
つまり「事前に予期し、先手を打っておく」ことです。たとえば数カ月先に「多忙な時期が来る」とわかっている場合は、あらかじめそのための準備をしたり戦略を練ったりしておくといいそうです。「この時期を上手に乗り越えた自分」を具体的にイメージし、必要なステップを把握してみましょう。しかし、「不安感をあおるほどに“予測戦略”に時間をかけすぎては逆効果」とデマリア博士は警告しています。ほどほどに行う程度にとどめて、思いつめるように考えるのは避けましょう。
②深呼吸する。
「ストレスによってコルチゾール(ストレスホルモンの一種)が増えると、体調への影響も出てくる」とドーフマン博士は指摘しています。気持ちと体を鎮めるには、深呼吸や20分程度の運動が効果的とのこと。心拍数を下げて心身を落ち着かせることで、コルチゾールの上昇を抑える可能性があると言われています。
③「やることリスト」を作る。
やるべきことが山積みなときほど、まずは「やることリスト」を作って、やるべきことを書き出してみてください。「大きなタスクであればあるほど、やるべきことを細かく書き出し、手順も含めて見直す」ことで「かなりのストレス軽減になる」とドーフマン博士は提案しています。
次回に続きます。
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