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共感について②
前回の続きで、今回はどのようにすれば共感的になれるかを見ていきたいと思います。
『損する気づかい 得する気づかい』(ダイヤモンド社刊)の著者である八嶋まなぶさんは”共感力”を以下の三つで鍛えられると語っています。
①主語を自分から相手に入れ替えて話を観察する
人は誰しも自分の話をしたがるもの。なので、ある程度人と会話した後、自分の会話を振り返る際に、主語を自分から相手に入れ替えて会話を観察する工夫をしてみましょう。そうすれば相手に寄り添う姿勢が身についていくとのこと。たとえば以下のような感じです。
・「自分はなぜこの話題を選んだのだろう?」→「相手はなぜこの話題を選んだのだろう?」
・「自分はどんな気持ちだっただろう?」→「相手はどんな気持ちだっただろう?」
②話を聞くときは「繰り返し」を使う
安心感を持って相手に話をしてもらうためには、心理学者やカウンセラーが使う「バックトラッキング」という方法を使ってみるのはいいかもしれません。やり方は相手が話したことを繰り返すだけ。たとえば以下のような感じです。
・相手「最近、残業がきつくて」→「残業がきついんだね」
・相手「面白い話があってね」→「面白い話なんだ」
相手が話したことを繰り返すことで、意外にも相手は言いたいことを中心に語ってくれるものです。しかし、これをやりすぎると相手を不快に感じさせてしまうため、使いどころ、使う頻度などに注意しなければなりません。
③「ひょっとしたら」を付け加える
相手の話を聞くだけでなく、あなたが意見をいう必要もあります。そんなときに使えるのが「ひょっとしたら」を付け加えるという方法があるそうです。話をする中で(ひょっとしたらこの人はこう考えているのかもしれない)という疑問が出てくると思います。それを言葉にすればよいとのこと。以下のように伝えてみます。
・「ひょっとしたら○○に困っていない?」
・「ひょっとしたら○○が役に立つかも」
「ひょっとしたら」との思いから言葉に出した意見が一致すると、自分のことを理解してくれていると相手は感じられると思います。もしも一致しなくても、「そうだったんだね」や「私はそう思っていたけど、本当は違うんだね」などと素直に伝え、相手の考えと自分の考えは違うことに気づき、(じゃあ、相手がそう考えている理由は何だろう?)などと新たな質問につながるヒントに変えることができます。
上記の三つを意識しながら会話をしてみると、きちんと話を聞いてくれていると相手に感じてもらえて、関わりがより一層深くなるメリットがあります。そうなると、相手の考えや感覚をより知る機会に恵まれます。”共感力”を持っている人は相手の話をきちんと聞いている人とのこと。その意味では、話をよく聞ける人は高い”共感力”を持っている人と言うことができるかもしれませんね。
今回紹介した3つの方法をぜひ実践し、”共感力”によってより良い人間関係を築かれることを願っております。
~ライフサポート・クリニックは、うつ・不眠・不安などの治療と共に、復職支援・発達障害・依存症の治療にも力をいれております~