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本からの学び~「個人」から「分人」へ~
今回はこの本です。
私とは何か、と哲学的なタイトルも目を引きますが、サブタイトルの「個人」から「分人」という表現も気になります。「分人」は、作者である平野啓一郎さんの独特な表現です。
作者は、我々は様々な場面や関係に合わせて変化する存在であるということから、「個人」ではなく、場面に応じて分化する自分の一側面という意味の「分人」なのではないか、と語っています。
例えば、昔ながらの友人としゃべっているときの自分、職場の上司を前にしての自分、または趣味に興じているときの自分など、「私はこういう人間です」と一言では言い切れないほど様々な自分が存在していると感じることはありませんか?
そして作者は「自分の好きな分人を足場にして生きる道を考える」ことを提案しています。深い意味を含んでいるように感じる表現であり、同時に、そのように提案されると安心できるような心地にもなる言葉のようにも感じます。
繰り返しこの本を読んで、作者が我々に伝えたいことの意図を知っていきたいものです。
~ライフサポート・クリニックは、うつ・不眠・不安などの治療と共に、復職支援・発達障害・依存症の治療にも力をいれております~
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