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社交不安障害(SAD)とは何か?
社交不安障害(SAD)の概要
社交不安障害(SAD)は、人前で注目される場面で強い不安や恐怖を感じる障害です。「社会不安障害」や「あがり症」とも呼ばれます。この障害は、単なる性格の問題とは異なり、強い苦痛や恐怖感を伴います。その結果、赤面、大量の汗、動悸などの身体症状が現れ、「失敗したらどうしよう」「恥をかいたらどうしよう」といった思いにとらわれてしまいます。これにより、そうした場面を避けるために日常生活が制限されることもあります。
発症の原因
社交不安障害の正確な原因はまだ解明されていませんが、最近の研究ではセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の機能障害が関与していると考えられています。脳内には約140億個の神経細胞があり、これらが神経伝達物質によって制御されることで脳全体の機能が調節されます。セロトニンのバランスが崩れることで、社交不安障害が発症する可能性があるとされています。
早期治療の重要性
社交不安障害は未治療のまま放置されることが多く、深刻化するケースも少なくありません。特に学童期や思春期に発症することが多いため、進学や就職、結婚といった人生の重要な場面で制約を受けやすくなります。治療が遅れると、症状が慢性化し、うつ病や薬物依存といった他の心の病気を併発するリスクも高まります。早期に適切な治療を受けることが重要です。
社交不安障害の症状
社交不安障害の症状は多岐にわたりますが、以下のようなシーンで特に強く感じられます:
- 人前で話す、発表をする、プレゼンテーション
- 人との雑談
- 人目に触れる場所での飲食、会食
- 人前で字を書く
- 電話対応
- 美容院
- 合コンやデートなど異性との交流
自律神経症状としては、胸のドキドキ、息苦しさ、めまいや吐き気、手足の震え、声の震え、腹痛、口の乾き、ひどい発汗、赤面、ほてりやのぼせなどが見られます。
治療方法
社交不安障害の治療方法には薬物療法と心理療法があります。
薬物療法
薬物療法の基本原理は、脳内の神経伝達物質のバランスを調整することです。不安や焦燥感、不眠、気持ちの落ち込みを軽減するために、セロトニンを調整するSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や、セロトニンとノルアドレナリンを調整するSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、抗不安薬が用いられます。
心理療法
心理療法では、認知行動療法などの手法を用いて対人恐怖を増幅させる心理的問題に対処します。例えば、「自分は周りの人と比べて劣っている」といったネガティブな思考の歪みを改善し、健全な方向に矯正していきます。また、不安が生じる状況や環境を避けるのではなく、段階的に直面して訓練を積むことで、恐怖感を克服する方法もあります。
社交不安障害と向き合うために
社交不安障害は、単なる性格の問題ではなく、治療可能な病気です。早期に適切な治療を受けることで、症状を軽減し、日常生活の質を向上させることができます。不安や恐怖に悩まされている場合は、専門家に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。
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