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リワークプログラム紹介シリーズ⑭(後編)
即興で物語をつなぐ「リレー小説」— テーマ『When I’m 64』
今回ご紹介するのは、自己表現を楽しむプログラム「リレー小説」です。
3〜4人のチームでテーマを決め、即興で物語をつなぎながら、ひとつの短編小説を完成させていくこのワーク。自由な発想と表現を通して、他者とひとつの物語を紡ぎ上げる楽しさや、思いがけない展開に触れる面白さがあります。
2回に分けてご紹介している今回の「リレー小説」。 前回(前編)は「五月の夢」をテーマにしたチームの作品を紹介しました。そして(後編)の今回はもうひとつのチームによるテーマ「When I’m 64」の物語をご紹介します。
ビートルズの名曲タイトルとしても知られるこのフレーズをもとに、64歳になった自分や誰かの姿を自由に想像しながら紡がれた物語です。書き手が変わるごとに ✦ マークを付けていますので、それぞれの視点やタッチの違いもお楽しみください。

【チームB】
「When I’m 64」
✦ 明日で僕も64歳になる。ビートルズの歌のように奥さんとの会話になればカッコがつくが、結局、この歳まで独身をつらぬいてしまった。
✦ 独りということも、それは悪くもない。自由だ。全てが自由なのだ。しかし、誰かの助けを期待できないということでもある。仕方がない。それは僕が選んだ生き方だから。だけど僕は恋をしてしまった。してしまったのだ。64で。
✦ え?64で?と思うかも知れない。ただ、感情が動いたものは仕方が無い。10歳年下とは言え相手も54。どんな人生を歩んできたのか知りたい…。
✦ 互いに意識はしていると思う。彼女と過ごす時間は、チョコレートのように甘い。でも、この恋は心の中にしまっておかなければならない。彼女には夫がいるのだから。
✦ 障害がある程、恋は盛り上がるものだ。優しさのフリをして、彼女の悩みを聞く。ありがとう、その言葉が僕への報酬だ。しかし。もっと早く出会えていれば、彼女が自由であれば、心も体も許しあえたのにと思ってしまう自分が嫌になる。
✦ しかし医学の進歩で平均寿命が250歳まで延びた現在では、64歳と54歳のカップルなどありふれた関係であり、いわゆる適齢期真っ只中の現実は、あまり気にならないのである。ただ肉体的な恋愛より、精神的な面でそれぞれの多くの経験、記憶を乗り越えるのが難しい。
✦ 恋愛の定義を見直す時代だ。婚外恋愛・肉体恋愛・精神恋愛。私は今、どこに進むべきなのか?今の時代と併せて考えてみたい。
~ライフサポート・クリニックは、うつ・不眠・不安などの治療と共に、復職支援・発達障害・依存症の専門治療に力を入れているメンタルクリニック(心療内科・精神科)です~
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